第2期モリパス部2回目の部会が、5月に行われました。内容はワークショップ&課題の中間発表。[ワークショップ 編][課題中間発表 編]にわけてレポートします。

書体デザイナーが語る、制作の裏側
文字が並んだ際のバランスが重要!

この日のプログラムの1つは、フォントづくりのプロによる、セミナー&ワークショップです。

1人目の話者は、株式会社タイプバンク(モリサワグループ)の書体デザイナー、高田裕美さん。書体はコンセプトに合わせてつくられていることや、その舞台裏を聞かせてくれました。

写真で部員が手にしているのは、専用方眼紙に手作業で描かれた原字。描く際には、1文字でのバランスだけでなく、ほかの文字と並んだ際に、画数・形状の違いがあっても同じ大きさ・黒みに見えるか、傾きや重心がそろっているか…などにも留意するとか。

手描きの書体は、データとしてパソコンに取り込まれ、確認・調整の工程へ。無事フォントとして世に出るまでには、再度、ほかの文字とのバランスを考慮し、数々の調整が行われるそうです。

 

ディレクターの仕事内容&
優れた書体とはなにか?

お次は、株式会社モリサワで書体開発のディレクターを務める、富田哲良さんが登場。市場調査をもとに、つくるべきフォントを考えるところから、ディレクターの仕事はスタート。

その後、制作メンバーの選定、プロジェクトの管理、品質の管理を行うなかで、高田さんが話してくれた、書体デザインの確認・調整作業にも携わります。

例えば、同じ書体でも、バランスを考えて木へんの形状を微調整。またQのテール(2画目)は字間のバランスを考慮し、隣に並ぶ文字によって長さが異なるよう、自動変換プログラムをフォントに組み込んでいるそう。

「文章となったときに、読みやすく美しく見えるよう設計されていてこそ、優れた書体と言えるのです」と、書体づくりの奥深さを、部員たちに教えてくれました。

 

ワークショップも大充実
プロの指導で、レタリング!

お二人を迎え、ワークショップも大充実。コチラは「永」「音」「た」を、明朝体でレタリングしている様子。仕上げたあとはもちろん、お二人からの講評がありました。

「バランスや統一感はもちろん、ハライの切り口にも注目。骨格に対し、自然に見える角度があります。いろいろな書体の切り口も見てみてくださいね」と高田さん。

みなさんも、明朝体の特徴エレメントを参考に、チャレンジしてみてください。

 

書体は、何百年も生き続ける
だから、書体づくりはおもしろい!

第2回部会は、「普段会うことがない、書体のプロ…」「手描きの書体が見られたのは貴重!」と、部員たちに大好評を収めて終了。

部会後には、衛藤・寺内コンビが、部活外で手がけたレタリングを持参。富田さんにアドバイスを求めていました。

「個性的なものをつくりたいだけなら、書体でなくてもいいんです。書体は統一感が大切」と富田さん。

「書体は、読みやすさ・統一感などの制約がある分、つくりづらく思えるかもしれません。そのかわり、何百年と生き続けるもの。実際に、パソコンがなかった時代の書体をデータ化して生まれたフォントもあるんですよ」

また高田さんは、書体づくりの魅力を、こう語ってくれました。

「近年、UDデジタル教科書体をつくりました。これは、ユニバーサルデザインの視点でつくった教科書体。デジタル教材で使っても見やすく、点やハライの向き・画数が明確にわかるので、文字を学ぶ教育現場でも使いやすいフォントになっています。

社会のニーズを、文字へと落としこんでいくのがおもしろい。書体づくりは、30年以上つくり続けていても、飽きることがない奥深いものなんです」

ライター:ウメザワ