専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)と株式会社モリサワが、「フォントの感性を“ON”にする」コラボレーション企画を行いました。

今回のテーマは、ズバリ「漢字の感じ」。

漢字1文字を選び、その文字の持つイメージを書体を使ってビジュアル化する、というお題です。漢字の意味をビジュアルで表現する際にぴったりの書体を選ぶため、表現方法だけでなく、書体についてもよく考えることが必要です。そんな難しいお題に、HALの学生たちはどのように取り組んでいただいたのでしょうか?

ここでは、モリサワが書体の魅力が引き出せていると感じた、優秀賞に輝いた5作品をご紹介します!

 

「壊」(HAL東京 林大智さん) 使用書体:UD新ゴ


「壊」という字を、おもちゃやレンガ、コンクリートのブロックが壊れるイメージで表現していただきました。四角くカドがあるブロックのイメージから、シンプルなゴシック体を選んでいただきました。

「壊」という字を壊す、というシンプルな表現ですが、 壊れているように見えつつも、きちんと元の字が理解できるバランスで成り立っているのが良かったです。UDフォントを壊す、という発想も面白く感じました。

 

「延」(HAL東京 禹芝文さん) 使用書体:モアリア


「延」の文字の形から感じたリズム感を表現するために、線にリズム感があるエレメントの「モアリア」を選んでいただきました。

「延」の文字から感じたリズムと、「モアリア」自体のデザインの面白さ、軽やかさがマッチしている作品だと感じました。ウエイトの選択、白黒の使い方や配置もよく考えられています。

 

「映」(HAL名古屋 小林大輔さん) 使用書体:カクミン


「日」をスクリーンと映写機から伸びる光、「央」を映写機に見せたユニークな作品です。光をゴシック体の直線、映写機の部品を明朝体のウロコで表現していただきました。

「カクミン」の明朝体とゴシック体の特徴を併せ持つような形を理解し、今回のテーマに選んでくれたのが評価ポイントでした。

 

「膨」(HAL大阪 小倉靖広さん) 使用書体:トンネル

 「トンネル 細線」の食い込んだようなエレメントを生かして、風船のように立体的な膨らんだ表現で、インパクトあるポップな作品になっています。

よく書体を観察していて、同じ「トンネル」でも、「太線」ではなく、より立体感の強い「細線」を選んでいるのも、納得感がありました。

 

「剥」(HAL大阪 白石睦実さん) 使用書体:ヒラギノ角ゴ


壁面に貼られたポスターやテープが剥がれる様子を、直線的で肉厚、かつ平面さを感じさせる「ヒラギノ角ゴ」で表現していただきました。

一目で何を表現したいのかがわかりやすいです。平面的ですが、先端が少しだけ広がるような「ヒラギノ角ゴ」のエレメントをよく観察し、物理的なイメージが広がる書体を選んでくれたのだろうと感じられました。

次回の記事では、受賞された作者の方に、インタビューさせていただきます!
お楽しみに。