2月18日に行われた関西チームのイベント本番。東京チームに比べて部会の頻度こそ少なかったものの、半年間頑張ってきた彼らの充実の1日をお伝えします。

 

書体選びに向き合った充実の3時間!

関西チームのイベントコンセプトは「書体からみるデザインワーク」。人に正しく情報を伝えるにはどのようにフォントを選んだらいいのかという問いを軸に、トークとワークショップを行いました。

会場は大阪のモリサワ本社。満員御礼の中、14時にイベントがスタートしました。

ゲストにお招きしたのは京都市立芸術大学ビジュアルデザイン専攻准教授の舟越一郎先生(写真中央右)と、金沢美術工芸大学視覚デザイン専攻准教授の坂野徹先生(写真中央左)。お二人の紹介を経て、まずはトークセッションが始まりました。

トークは関西モリパス部メンバーを司会進行役として、お二人の先生にテーマごとに質問する形。今日までにメンバーは各自で自分たちの大学の先生にも同じテーマの質問をインタビューしており、その返答も織り交ぜながらトークは展開していきました。

・神戸芸術工科大学 萩原 小麻紀 先生
http://font-switch.jp/post/2287

・神戸芸術工科大学 大江 純平 先生
http://font-switch.jp/post/2317

・大阪教育大学 江藤 亮 先生
http://font-switch.jp/post/2355

・京都造形芸術大学 丸井 栄二 先生
http://font-switch.jp/post/2322

 

好きな書体が自分のデザインのカラーになる

最初は「フォントのスイッチがオンになった瞬間は?」というテーマ。舟越先生は「大学時代にMacコンピュータを初めて使ってたくさんのフォントに触れ、『こんなに豊かな文字があるんだ!』と感じた時ですね」と答えてもらいました。

坂野先生は「ポカリスエットやカロリーメイトのデザインをしたヘルムート・シュミットさんの本を読んだ時に、『文字ってキレイだな』と興味が湧きました」と回答。

「文字の持つ力」というテーマでは舟越先生から「書道でも、太い筆で書きなぐった字には怒りを感じ、細い筆でさらさらと書いた字には上品さを感じます。活字も同じで、そういう意識を持つことが大事だと思います」と文字の表情について語ってもらいました。

坂野先生からは「文字のフォルムよりも文章で組まれたときにどうなるかが重要。例えば字と字の間のインクの乗っていない白い部分も“文字のデザイン”だと思います」と、書かれていない文字以外の部分にも力があることを教えてもらいました。

そして参加者にエールもありました。舟越先生は「好きな書体が自分のデザインのカラーにもなっていくと思います。そして『この書体でこの大きさだと気持ち良いな』という感覚を持てたら上級者になれるはず」と、書体を選ぶ際の感覚の大切さを説いてもらいました。

坂野先生は「デザインや文字の意味よりも、それらを使って何をするかが大事。書体は慣れてくればよく使い込まれて面白い道具になりますよ」と続けてくれました。

参加者から質問があったり、逆に先生と司会進行から参加者に疑問を投げかけたりと、意見が飛び交う活発なトークセッションとなりました。

 

名曲のフレーズを使って、自由な発想のフォント選び

トークの後はいよいよワークショップです。

「ワンフレーズジャケット」と題し、3グループに分かれて名曲のワンフレーズ「このままずっとずっと死ぬまでハッピー(ウルフルズ「バンザイ」)」、「君の前前前世から僕は君を探しはじめたよ(RADWIMPS「前前前世」)」、「上を向いて歩こう涙がこぼれないように」(坂本九「上を向いて歩こう」)を使ったCDジャケットを制作しました。
(JASRAC許諾番号:1800750-801)

制作前に坂野先生は「まずは曲を聴きこんで歌詞の意味を考えてください。そうすると字の大きさやフォントが決まってくると思います」、舟越先生は「四角の中の字の間隔やレイアウトを自由に考えてください」とアドバイス。参加者のさまざまな発想に期待されているようでした。

配布された素材は10種類のフォントと4種類のサイズ。参加者はまず歌詞のイメージに合うと思った2、3種類の素材を切ってみてからそれぞれを吟味したり、素材のフォントを見比べながらイメージを考えたり、一度仮置きしたものを写真に撮ってからフォントのサイズや文字の配置を変えたりと、おのおのが自由にフォントを選んでいきました。

中にはフォントを選んだ後にサイズ感で悩む人も。サイズが少し違うだけで、全体の印象や伝わるメッセージもガラリと変わります。人に伝える難しさを感じながら、参加者は書体選びやレイアウトに真剣に向き合って制作していました。

 

先生方の講評、そしてお待ちかねの交流会へ

完成したらキャプションに制作したCDジャケットの説明を書きこんで終了。最後には舟越先生と坂野先生から、それぞれ気になったジャケットをピックアップして簡単な講評もいただきました。

ワークショップの後はモリサワ本社(大阪)のショールーム「MORISAWA SQUARE」を見学し、お楽しみ会へと続きます。美味しい食事と飲み物を囲みながら、舟越先生と坂野先生に学生時代のことやお仕事について質問したり参加者同士で交流を深めたりしました。

また、先生方にワークショップで作った作品について個別の講評を聞きに行く参加者の姿も。何を表現したくてこのフォントを選んだのか、自分の作品には何が足りなかったのかなどを真剣に質問する参加者に対し、先生方も親身になって向き合ってくれます。最初から最後まで内容盛りだくさんな今日のイベントが終わると、充実の表情をして帰っていった参加者たちでした。

司会進行だけでなく、インタビュー内容の発表や写真撮影、ワークショップ参加、参加者の誘導などしっかりと役割分担をして成功させた今日のイベント。少数精鋭の関西モリパス部でしたが、全員が力を合わせて素晴らしいイベントにすることができました。

イベント終了直後に行った個別インタビューの模様も後日アップしますので、そちらもお楽しみください。