フォントは数多くの種類があり、それぞれが異なる表情をもっています。この企画は様々な書体でへのへのもへ(じ)=「へのへのもへ“字”」を描くことにより、文字の表情を比べていきます。(「じ」は省いています)

第1回目はモリサワ最初期から長く愛されているオールドスタイルの明朝体「A1 明朝」です。

「A1 明朝」で作られたへのへのもへ“字”は硬派な青年のようです。現代というより昭和のゆったりとした優美な曲線から成り、思慮深く遠くを見つめているようにも見えます。
考え事でもしているのでしょうか?何か難しいことを考えているのかもしれません。インテリクールなへのへのもへ“字”でした。

 

第2回目はシステマチックな雰囲気をもつ現代的なゴシック体「新ゴ」です。

何かにびっくりしたのでしょうか?ちょっぴり驚き顔に見えるへのへのもへ“字”です。びっくりしたけども、興味深々の様子。人一倍好奇心が強いのかもしれません。
筆者は以前、渋谷で芸能人のプライベートを見かけ、このような顔になってしまいました。インパクトの強い新ゴならではの表情です。

 

第3回目はデザイン書体「すずむし」です。

たっぷりと墨をふくんだでかいたようなデザインで、ふくよかな中に直線的なエレメントを持つので、古風すぎず、かわいらしい印象を感じます。
前回の「新ゴ」、前々回の「A1明朝」に比べてとてもチャーミングなへのへのもへ“字”です。「の」の止めと払いの部分が女性のカールしたまつげを想起させます。
好きな人をチラッと見ている様子でしょうか。シャイな女の子なのかもしれません。少女漫画に出てきそうなへのへのもへ“字”でした。

 

第4回目は骨太で威勢のいい江戸歌舞伎の感性をデザイン化した「勘亭流」です。

どこかすけべ顔に見えます。「の」のデザインがニヤっとした目を想像させるからかもしれません。飲み屋でかわいいお姉ちゃんを見つけたのでしょうか?筆者は上野のアメ横でこのようなおやじをよく見かけます。下町の飲み屋で愉快に酔っ払っていそうなへのへのもへ“字”でした。

 

第5回目はデザイン書体「タカリズム」です。

丸みを帯びた曲線と三角のリズム感あるエレメントをもっています。何か気にくわないことでもあったのでしょうか?「ちぇっ」っと吐き捨てているように見えるへのへのもへ“字”です。筆者も中学の頃、反抗期のときに、ちょっとしたことでムッとしてしまう時期がありました。めげずに頑張ってほしいものです。

へのへのもへ“字”、全5回が終了しました。いかがだったでしょうか?それぞれのフォントがもつ表情の違いに気づいていただければ幸いです。
(担当:モリパス部 otani)


この企画は、FONT SWITCH PROJECTのオフィシャル学生メンバー、「モリパス部」の学生が担当しています。